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きのうみたゆめのはなし 第三夜

1 :nil:2012/07/07(土) 01:16:40.57 ID:JJn8fi2M
さかのあるまちのゆめ
みたことも
いったこともない
めいろのように
ふくざつな
さかのあるまち
そこでぼくはたどりつく
ぼくのしらない
ぼくのいえ。
ぼくはそのまちをあいしているのだ。
その、しらない
さかのあるまちを。

2 :nil:2012/07/07(土) 01:20:20.56 ID:JJn8fi2M
「揺曳」

陽光差し込む部屋に張り巡らされたあなたの思慕が
僕の皮膚に暗く、沈む
逃れようとすればするほど絡みつく
逃れる必要は無いのに

外では僕らの家を包囲した警察が
拡声器で投降を呼びかける
二人で犯した罪を
一人で背負おうとするあなたに
僕は何もできなくて
あなたの手を握ったまま

力尽きる

「夢を見たんだ。あなたの夢を」

夢の中の僕は夢の中で夢の中のまま夢の中のことを語りだす
夢は甘さを伴って記憶の底に僕を沈める
あなたの思慕が僕を沈めたように

とある田舎のとある坂道で
世界は柔らかく発光し、揺らめき
遥か昔の匂いを運ぶ草花が鼻腔を擽る
あなたは車椅子に乗り
僕がそれを押す
まるで長年連れ添った夫婦のように

久しぶりのデート
山の頂上には動物園があって
動物の好きなあなたは
朝から笑顔を振りまく
あなたの笑顔は少しずつ
僕の心を溶かしていく

この日がいつか遠い過去になったら
あらゆる寒さを暖めるだろう
あらゆる暗さを照らすだろう

山の頂上に着いたら
あなたに言葉を送ろう
この世で一番
痛みの籠もった言葉を
この世で一番

愛の籠もった言葉を



3 :nil:2012/07/11(水) 10:54:47.62 ID:zhLIDj8V
「ジェイミー」

星々の叫びが聞こえるだろうか
何もかもが限界を迎えている
この夜空という名の戦場で

俺は銃を持ち、立ち上がる
敵の慟哭をこの身に刻み付けるため

そして俺の魂は救われる
幾千の死を浴びることによって

ああ、そうさ、終わりが近い
もうみんな限界なんだ
何もかもが限界を迎えている
俺は敵に標準を向け、引き金を引く
本当に貫きたいのは
君の肉体でなく
魂だというのに
フルメタルジャケットが裂くのは
見たくもないものばかり

愛という言葉を信じてくれ
俺が最後に撃ち抜くから
最後まで保ち続けてくれ
お願いだから

グレネードをぶっ放す
頭上で輝くあの星に向けて
弾頭が破裂するころには
世界は優しくなっているだろうか
少しだけでいいんだ
少しだけで


4 :nil:2012/07/12(木) 07:56:09.99 ID:diwVSrkx
「風光」

目を覚ました時
僕は生まれ変わる
その時見える風景に
あなたが居たなら
きっとその日は―

豊橋 2010年某日
入り組んだ巨大な商業施設で
僕らは人混みに紛れて愛を確認する
触れているのは手と手だけで
それでも世界は輝いていた
その時、僕は気づいた
この世界の成り立ちや構造、そして真実
夢は繋がりあって
過去や未来が記憶として現在に一元化されている
つまり意味の無い瞬間なんて一つも無く
全てはあなたと僕の
掌の中にあるんだ

「温もり?」
「それ以上の何かかな。そう、例えば・・・」

僕が耳打ちすると
あなたは微笑んで
記憶の底へ落ちていく

長島スパーランド 2011年某日
瞼を開くと僕達は中空にいる
電飾の過剰な光と無限に引き伸ばされた時間
愛の言葉など意味を成さないことに気づいて
静かに瞼を閉じる
子供が喜びそうな音楽には
僕にとって大切なものがある
あなた以外のとても大切なもの
大切な記憶


5 :nil:2012/07/12(木) 07:56:58.79 ID:diwVSrkx
長浜 2011年初頭
僕の部屋には二段ベッドがあって
下のベッドで
ありえた過去がありえた未来と交わっている
あなたは椅子に腰掛けて高そうなワインを飲んでいて―
そう、これはあの日の記憶
世界で最も甘い記憶
僕はあなたの隣に座って耳元で囁く

「世界が終わってもいいと思った」

京都 2012某日
京都の港には巨大な貨物船が泊まっている
人工物は偉大だと思う
人の歴史を体現しているからだ
僕は船が怖い
いつもその歴史に潰されそうになる
本当は自らの歴史の先端が船の鋭利な先端と
干渉して傷を開くような感覚に耐えられないだけなんだけど
そんなことを言うと
千の景色を内包する人よ
あなたは港の先端に立ち
風を全身に受け
少しだけ祈りの言葉を吐く
ここは天国に近くて
少し寒い
全ての夢(きおく)は繋がりあって
ふとした瞬間、ひとつになるのだ
そして
たゆたい ながれる きおくのなかで
ぼくは たいじのような こえをあげた



6 :nil:2012/07/21(土) 16:09:56.03 ID:A+O40rzx
空は香り 雨は流れる
今、僕は中心にいる
同心円状に広がったクオリアの
たゆたう先に
見えるもの
遠きに光り 近きに揺らめく
それを呼ぶもの 叫ぶもの

「夢」

幻ではなく 硬くも冷たくもなく
深淵でふわりとゆれる
かぜ きおく そして あなた
君はいつまで まわって いるんだろう
ちゅうしんに おいで
いっしょに にげよう

ここまで きたら こわくないから

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